アクセラレーションプログラムとは?(前編)歴史、提供するリソースおよび一般的な流れについてご紹介

  • KUSABI α -Acceleration Program-

現在日本国内には200を超えるアクセラレーションプログラムが存在すると言われています。スタートアップや起業前の皆さんが自分にとって最適なプログラムを見つけていただくため、前編・後編と2回に分けてアクセラレーションプログラムの概略を紹介していきます。

前編ではアクセラレーションプログラムの歴史、提供するリソースおよび一般的な流れについて紹介します。

なお、KUSABI Office Hourではアクセラレーションプログラムの紹介も可能です。ぜひご活用ください。

アクセラレーションプログラムとは?(前編)

1. アクセラレーションプログラムの歴史

アクセラレーションプログラムはスタートアップの成長を加速させるための集中的な起業支援プログラムです。アクセラレーターと呼ばれることもあります。

2000年代半ば以前、ベンチャーキャピタルや大学の産学連携プログラムなどのアクセラレーションプログラムの前身となる取り組みは存在しましたが、アクセラレーションプログラムとしての形態や知名度はまだ限定的でした。

2005年、アメリカのシリコンバレーに拠点を置く世界的に有名なスタートアップアクセラレータY Combinatorが設立され、アクセラレーションプログラムの先駆け的存在となりました。ポール・グレアムらによって創設されたY Combinatorは、起業家に対して初期の資金、メンタリング、ネットワーキングの機会を提供し、Airbnb、Dropbox、Reddit、Stripeなど名立たるユニコーン企業を生み出しました。Y Combinatorの成功を受けて、シリコンバレーや世界中の主要なスタートアップエコシステムでは、アクセラレータプログラムが急速に増加しました。

2. アクセラレーションプログラムが提供するリソース

スタートアップの成長と成功をサポートするために提供されるリソースを紹介します。ただし、プログラムによって提供されるリソースの内容や範囲は異なる場合があります。詳しくは後述のアクセラレーションプログラムの種類で紹介します。

◆資金提供
採択されたスタートアップに対して資金を提供することがあります。これは、ビジネスの成長や製品の開発に必要な資金を調達するための支援です。資金の種類は大まかにエクイティファイナンスとエクイティなしの活動支援資金に分類できます。プログラムの属性により資金の種類が異なり、詳細については後編で紹介しています。

◆メンタリング
運営側のメンターは、基本的に起業家経験者、投資家、業界専門家、ビジネスコンサルタント、技術エキスパートなどの幅広い専門知識や経験を持った方が担当します。メンターの役割は、スタートアップのビジネス戦略、製品開発、マーケティング、人材採用、ファイナンスなど、さまざまな側面で個別の指導やアドバイスを提供することです。

◆ビジネスネットワーク
投資家、業界の専門家や大手企業、自治体、他のスタートアップなど、広範なビジネスネットワークが提供され、資金調達や事業共創の機会を見つけることができます。

◆セミナー
ビジネススキルや起業家精神の向上を促すため、ビジネスディベロップメント、マーケティング戦略、資本政策、カスタマサクセスなどのセミナーが提供されます。

◆シェアオフィスと特典
共同作業オフィスの利用や、アクセラレーションプログラムに採択された企業のみが利用できるクラウドサービス、プロジェクト管理ツールや決済サービスなどのディスカウントにより、スタートアップはビジネスの運営に必要な環境を整えることができます。

3.アクセラレーションプログラムの一般的な流れ

プログラムごとに異なる場合がありますが、一般的なアクセラレーションプログラムの流れを紹介します。①応募
応募には、ピッチブック(事業計画書)、チームの情報などが含まれることが一般的です。選考プロセスに進むためには、プログラムの応募基準を満たす必要があります。

②選考
選考プロセスにおいては、書類審査、面接、プレゼンテーションなどのステップが含まれることがあります。投資家からは、ビジネスの成長ポテンシャル、創業チームの能力、事業の市場規模などが聞かれることが多いため、十分にプレゼンテーションの準備をしておきましょう。

③採択
採択されたスタートアップと主催側は、プログラムの期間や利用条件、資金支援などについて、アクセラレーションプログラムに関連する契約手続きを行います。

④プログラム開始
採択されたスタートアップは、数ヶ月から1年程度の期間において、プログラム運営側によるビジネスセミナーや個別メンタリングを受けることができます。

⑤デモデイ
プログラムの最終段階では、デモデイと呼ばれるプログラムでの成果をお披露目するイベントが開催されます。スタートアップが投資家や業界関係者に向けてプレゼンテーションを行うことで、資金調達やビジネスパートナーシップの機会を創出する場となります。

 


今回はアクセラレーションプログラムの歴史、提供するリソースおよび一般的な流れについて紹介しました。後編ではアクセラレーションプログラムの種類、運営組織ごとの一般的なプログラムについてご紹介します。

KUSABIのアクセラレーションプログラム「α」について

KUSABI αは、シードステージのスタートアップを育成する約18ヶ月間のプログラムです。

採択企業に対して活動資金2,000万円を提供するとともに、キャピタリストによるメンタリングや定期的なセミナーの実施、シェアオフィスを起点とする起業家間コミュニティ醸成などKUSABIが持つネットワークやリソースを最大限に活用していただきながら事業成長にコミットいただける環境を用意しています。

◆ご参加いただける対象企業

・シードフェーズの企業(設立前も可)
・プログラムを活用してピボットしたい企業
・ベンチャーキャピタルからの調達前である企業(但しエンジェル投資家を除く)
・チーム規模4名以下

◆プログラムの特徴

・18か月間(企業の成長スピードに合わせて変更可能)のハンズオン支援
・採択時に2,000万円(Series-S)の出資
・KUSABI パートナーによる週次メンタリング
・月1回の実践的セミナー(例:ビジネスディベロップメント、初期マーケティング等)
・アクセラオフィスの提供(プログラム期間中)
・KUSABIが独自に築いたコミュニティへの参加
・特典制度(各種スタートアップ向けプログラムの提供(例)AWS、Wantedly、Notion、Stripe、ietty 他多数)

応募方法などの詳細は、KUSABI αのウェブサイト(https://kusabi.fund/accelerator/)をご確認ください。

◆プレスリリース等

・独立系VC KUSABI、アクセラレーションプログラム『KUSABI α』本格始動!
・独立系ベンチャーキャピタルKUSABI、1号ファンド設立 運用総額100億円
・“兆円企業”を目指すKUSABIのこだわり
・注目を集めた100億円規模の第一号ファンド。KUSABIが起業家と目指す世界とは
・【0期生インタビュー】株式会社WAND 代表取締役CEO 黒﨑悠一さん