【起業家インタビュー】株式会社WAND 代表取締役CEO 黒﨑悠一さん
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KUSABI 起業家インタビュー第1回目のゲストは、株式会社WAND(以下、WAND)代表取締役の黒﨑悠一さんです。
全ての人が得意なことに没頭できるインフラを作りたい
―事業内容を教えてください。
WANDは、TikTokを始めとするショート動画クリエイターの影響力を活用したマーケティングプラットフォーム運営をメイン事業としています。僕らのプラットフォームには2000人程のTikTokクリエイターがおり、主にC向け商材を展開されているお客様とクリエイター達をマッチングし、“バズらせる”ためのショート動画の制作支援や、代理店のような事業を展開しながら、『指先ひとつでソーシャルの影響力を買えるプラットフォーム』の構築を目指しています。
特に音楽業界のお客様が多く、大手レーベル企業から新曲が出る時など、クリエイターを活用したショート動画によるプロモーションで数多くご利用いただいています。もちろん音楽以外でもC向け商材を展開するお客様も、幅広くご支援させていただいています。
また、最近は新規事業として、ジェネレーティブAIを使ったシステムの研究開発にも力を入れています。「バズる」ことの再現性を持たせるにはどうしたら良いか考える上で、ジェネレーティブAIが活用できるのではないかと感じ、既存のアセットを活用してスタートさせた事業です。
―クリエイターエコノミー事業を始めたきっかけは?
自分自身がもともとエンタメが好きだったこともあり、大学生時代にメゾワンという会社を創業し、ライブ配信者600人程のライバーさんが所属するライバーの事務所とVTuberの事務所をやっていました。大学4年の時にその事業は売却したのですが、その後もクリエイターと関わる中で、「今後益々クリエイターが活躍する時代が来て、その流れは拡大していくだろう」と確信しました。
WANDを創業してからしばらくは、他の事業を色々と模索してたんですが、結局1周回って今は自分が好きで、かつ得意とするクリエイターエコノミーの事業を展開しています。
「全ての人がその得意なことに没頭できるインフラを作りたい」と思って事業をしています。特にクリエイターさん達は、僕らが思いつかないような角度で物事を表現して面白いエンタメに昇華させ、多くの人に届けることができるという“特殊技能”を持っているんです。彼らの力を最大化させたいという思いで事業をしてます。クリエイターの世界は割とまだまだアナログなので、クリエイターさん達がコンテンツ作りに集中できるよう、WANDでは効率化するためのサービスも展開していて、例えば200人とかのクリエイターさんの投稿も管理したり、品質のコントロールをしながらインフルエンサーマーケティングできるようなツールを社内で持っています。
挑戦する打席を増やしたい。過去に0→100を経験したキャピタリストが伴走してくれれば、一人でやるよりも10倍早く目指すべき場所へ行けると思った。
―学生起業をしてEXIT(事業売却)もご経験された黒﨑さんですが、再度起業された際にアクセラレーションプログラムKUSABI α(アルファ)にジョインされた理由を教えてください。
学生起業したメゾワンを売却し、大学卒業後は一度外資系証券会社に入社しました。1年程働いた後に会社を辞め、独立してまた会社を始めました。
独立当初は会社を作っては潰す、みたいなことを繰り返しながら、細々と1人でやっていたんですけど。ある日、大きいことやりたいと思って辞めたはずなのに、いつの間にかスモールビジネスになって、近視眼的なことをやっている自分に気づきました。
企業価値を500億、1,000億にしていくチャレンジを20代、30代前半ぐらいまでやりたいなという気持ちが強くなってきたときに、やはり大きい挑戦をするんだったら、どこかのタイミングでエクイティ調達をして、事業にアクセルを踏むことが必要になるはずで。大きいことをやると覚悟を決めたら、0から100までを見てきた“名キャピタリスト”みたいな方と、初手から伴走することが一番の成功確率を上げられるのかなと思ったんです。
兄の紹介などを通じて複数の投資家と会う中で、KUSABIの永井さんと出会った時に「普通のキャピタリストとは違うな」と感じました。投資に対するスタンスや、ビジネスの立ち上がりにごりっとハンズオンできるみたいな人は、めちゃめちゃ稀有だと思います。それにすごく(KUSABIからの投資)条件も良かったですし、やらない理由がないな!という感じでKUSABI α 0期生の第一号としてジョインを決めました。
―ぜひ起業するか悩んでいる方やアクセラレーションプログラムへの参加を検討している皆さんへメッセージをお願いします!
外資系証券会社に入社して会社を辞める時、もうちょっとキャリアを積んで、PEファンドとかに転職して、いつでも“再就職できる状態”を作ってから起業する道もあるかなと考えましたが、それだと打席に立てる回数が1回か2回減るなって思ったんです。最終的に何をやりたいかと考えたときに、日本を代表するような事業を作って、世界を股にかけるような大胆なチャレンジをしていたいなと考えたときに、やって駄目だった経験のほうがむしろ希少価値が高いんじゃないかなと思い、会社を辞めて独立しました。
ホームランを打つことって正直「運」もあると思うので、何回打席に立つか、ということも大事なのではないかと思います。
KUSABI α(アクセラレーションプログラム)はアイデアがない状態でも出資をしてくれて、かつその成功の確率を高めるようなインプットや壁打ちをしてくれて、起業家が思いっきりバットを振れるという、このうえない環境だと思います。
―今後WANDが目指すことを教えてください。
クリエイターの数がどんどん増えてきていて、今僕たちはショート動画マーケットの一丁目一番地を取りに行っています。今後はそれに伴い、会社の規模もどんどん大きくしていきたいと考えています。
「1時間のテレビ番組を観る」というところから、パソコンが普及して10分間のYouTubeなど横型動画をパソコンで観るという形になって、その後スマホに最適化された縦型画面で、AIがレコメンドしたショート動画を受動的にザッピングして観ていく、みたいな視聴態度の変化にはもう歯止めがかからないのかなと思っています。
今後間違いなく盛り上がる動画広告市場や縦型クリエイター市場を取っていけるような会社になっていくために組織を強く、大きくしていく必要がありますし、自分たちが今持っているマーケットプレイスをもっとリッチにしていくことを目指しています。
そして、常に「事業家集団」でありたいと思っています。既存のアセットに掛け合わせた〇〇、みたいなものもどんどん作っていきながら、0→100の種まきを続けたいと思っています。リクルート、サイバーエージェント、ディー・エヌ・エーなど、日本を代表するような会社は「最初の事業なんだったっけ」と感じる人も多いと思います。僕らもそのぐらい連続的に事業を作って、これからも大胆なチャレンジを重ねていきたいです。
黒﨑さん、ありがとうございました!
【番外編】WAND COO 亀崎裕太さんにもお話を伺いました!
―COO亀崎さんから見た黒﨑さんの印象を教えてください。
事業作りに対するモチベーションや行動力がすごいなと感じています。アイデアを出して、実際にそれを形にすることもすごく上手です。主力事業であるマーケティング事業には当然かなりのリソースが必要ですが、それでも新たに必要だと判断したことには果敢に挑んでいます。正直たまに心配になることもありますが(笑)、そういう黒﨑を支えて、一緒に会社を作っていくのが僕の役割だと思っています。
―亀崎さんご本人も東大卒で、メガベンチャーでご活躍されている中での共同創業だったと思いますが、何がきっかけだったのでしょうか?
大学を卒業して、新卒で入社した会社でしばらく働いているうちに「次のキャリアをどうしようか」と考えていた時期があって、その時に大学時代からの友人である黒﨑が「なんか一緒にやろうよ」と声をかけてくれました。そこまではよくある話じゃないですか(笑)
それから毎週末集まって、事業アイデアを持ち寄って壁打ちをする期間があって、それがすごく楽しくて。大体こういうのも途中で頓挫すると思うんですけど、続けていくうちに黒﨑と一緒に事業作りに挑戦してみたいなと思ったんです。
ちょうどそのタイミングで、KUSABIの永井さん達からのサポートを受けられると聞いて、永井さんと面談をした時に、「名コーチみたいな人だな、この人の元でサポートを受けられるなら挑戦できる気がする」と感じました。あ、これKUSABIへの忖度ではないですからね(笑)もともと僕はリスクをガンガン取れるようなタイプではないんですが、KUSABIの永井さんの元でアクセラレーションプログラムにジョインして、黒﨑と一緒に事業作りが出来るなら挑戦してたい、と起業を決心しました。
―WANDで一緒に働きたいと思う人はどんな人ですか?
一緒に事業作りをするのが楽しい、色々と挑戦してみたい!というモチベーションの方と一緒にWANDを大きくしていけたらと思っています!幅広いポジションで採用をしたいと考えているので、WANDに興味を持っていただけたら嬉しいです!
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株式会社 WAND
企業ウェブサイト:https://thewand.jp/
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【KUSABI コミュニティマネージャー リヨウの編集後記】
学びが多く非常に有意義な時間でした!黒﨑さんが、すぐ起業するか、もう少し外資系金融機関でキャリアを積んでから起業するか迷った時、『今起業をしないと打席に立てる回数が1回か2回減ってしまうと思った』という言葉にとても共感しました。日本を代表するような新しい事業を作り出すためには、失敗できる機会を逃さないことが重要ではないかと思います。イーロン・マスクだってまだまだトライアンドエラーを繰り返しているんですから!(笑)
次回のインタビューもお楽しみに!
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ウェブサイト:https://kusabi.fund/accelerator
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